サルタリィ・ベンは、競走馬飼料・競走馬サプリメントを通して丈夫な馬づくりを応援しています。
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第1章・第1話へ
第2章・第1話へ

第3章:馬の栄養管理について

(第1話)基本的な馬の栄養とは何か!!

(第2話)馬の体調維持に必要なミネラルとビタミン

(第3話)実際に使われている馬の飼料とその栄養価について

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について1 出生〜離乳まで

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について2 離乳後〜育成期の疾病予防対策

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 1

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 2

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 2

1.牧野の管理について
1)放牧草地の管理は?
@ 牧野管理を行っていない牧野に馬を放牧した場合→短い牧草や馬の嗜好にあった牧草が選択的に食べられ、→草地の植生が変わってしまうので注意すること。
A 牧草の品種によっては、馬の蹄による損傷で再生しにくい牧草、糞尿で草地の汚染で植生に変化⇔牧野の利用価値が落ちるので注意すること。
B その土地の風土、放牧地の造成、管理人数、利用などは入牧させる馬の数などに見合った対応策をとる必要があります。
(1)牧柵
@ 良い牧柵とは;
*境界が明瞭であること。
*馬の出し入れが容易であること。
*馬の事故や牧草の損失が少ないこと。
*隣接牧区との間に良い関係を保つこと。
*美観をもっていること。
A 牧柵の杭;
日本では、180cmの杭を60cm地下に埋め、地上の高さを120cm、杭と杭との間隔は約2mにしている。
アメリカは、比較的高く150cm、特に種牡馬は180cm、横木の数も日本は2、3枚であるが、アメリカでは3〜5枚である。
(2)広さ
@ 日本では、昔から馬1頭につき1町歩(約1ヘクタール)の放牧地が必要といわれています。
A アメリカでは、馬1頭に0.8〜1.2ヘクタールが必要とするのが多いようです。
B 必要なことは、良質な草が常に食べられるような広さと馬群の編成を考えることです。
(3)放牧用草地の特性
@ 放牧用草地は、野草放牧地と牧草放牧地で植生が異なります。
A 野草放牧地地勢、草の性質、馬の踏圧で採食場所が限定される→馬の食べない草種や潅木類が繁茂しやすい→次第に草地が荒廃化することになります。
B 牧草放牧地集約的管理なので草地の全面から採食される傾向→馬の選択的採食による影響よりも踏圧や施肥による影響が大きい。
C 馬は短い草を好んで食べる→草丈を長く伸ばさないこと。
D 放牧地の草種は、ケンタッキーブルーグラスが馬の嗜好性や草種から最良である。その他に、ペレニアルライグラス、トールフェスクなどがある。
(4)放牧用草地の生産性
@ 草地は、馬の採食量、草種や草生状況、放牧時間などを良く管理すること。
A 放牧は、馬が野外で生活し、草の採食に加え、自由に日光浴や運動を十分行う事ができ→しかも健康的な環境を馬に提供可能な状況にすることです。
(5)放牧地の管理について
@ 輪換放牧;
草の再生力が回復するまで輪喚を行う→それぞれの草地や放牧地に休牧期間を十分とること。→季節に応じて草に休息期間を与える→春は20日前後、秋は40日前後必要である。
A 草生状態;
草地の草生密度を可能な限り高く維持し、20cm前後の短い草丈のときに採食させる。→草丈が5cm以下になるまで放牧を継続しないこと。
B 牧養力;
一定面積当りの放牧可能頭数を算出して放牧すること⇔馬は踏圧による損失が大きいので5ヘクタール当り6〜8頭の放牧が適当でしょう。
C 放牧用草地の施肥と播種;
施肥は表面だけに行うこと。
肥料は石灰とリン酸を主体⇔10アール当り石灰質肥料100kgとリン酸5〜10kgにすること。
D 窒素は、多すぎると野草をはびこらせるので⇔窒素カリを10アール当り2〜3kgにすること。
E 草の生育が悪くなったら⇔放牧地の再生を助けるために窒素肥料を適宜追肥すること。
F 草地を長期間使用した場合は→施肥と同時にイネ科とマメ科の種子を混播すること。
G 高温多湿の気象条件や集約的飼育条件にある日本の放牧草地は→早目に混播を繰り返すこと。馬の排泄物や小石も小まめに取り去ること。
左図:朝日の陽射しが差し込む上高地。右図:田貫湖に逆さに反影する木々と富士。

2.採草地は?
@ 気候風土に合った、馬の嗜好に合った牧草を選択すること。
A イネ科牧草では;
北海道;チモシーグラス。
東北;オーチャードグラス。
関東;イタリアンライグラス。
九州;バヒアグラス、ローズグラス、スーダングラスなどが多い。
B 牧草は根から栄養分を吸収する→多くの根は土壌表面から10〜20cmのところにある←その部位までの土壌改良が必要なことになります。
チモシーグラスの至適pHは5.8〜6.5→土壌の酸度矯正→石灰を年間10アール当り20〜30kgを牧草に奪われ、しかも雨水で溶け出すので→2〜3年ごとに10アール当り100kgの石灰が必要です。
C カルシウム:リンとの比率は、1.0〜2.0にすること。
D 幼駒の筋変性症予防のために、セレンに注目すること→セレン化合物は、土壌が弱アルカリ性の時に植物への移行が良いとされているので、⇔酸度の高い土壌は問題です。
E 草地の改良点;
牧草は早い時期に収穫すること。
化学肥料に頼り過ぎないこと。
必要な有機肥料を施すこと。
草地の改良には、酸性土壌の酸度を矯正にすること⇔それには石灰(炭酸カルシウム)を利用する⇔土壌のpHを測定する⇔耕す深さは15cmを目安に行う⇔火山灰土壌にはマグネシウムを補う意味で苦土石灰を用いる。
多量の炭酸カルシウム施肥を合理的に行うために⇔厩舎の堆肥を使うこと。
火山灰土壌に牧草を作付けする際には⇔元肥としてリン酸質肥料を多めに施すこと。
放牧場:生産牧場での長閑な親子の風景。


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