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第1章・第1話へ
第2章・第1話へ

第3章:馬の栄養管理について

(第1話)基本的な馬の栄養とは何か!!

(第2話)馬の体調維持に必要なミネラルとビタミン

(第3話)実際に使われている馬の飼料とその栄養価について

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について1 出生〜離乳まで

(第4話)出生〜若馬の飼養管理について2 離乳後〜育成期の疾病予防対策

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 1

(第5話)馬の養分必要量と個体別飼養管理の重要性 2

(第3話)実際に使われている馬の飼料とその栄養価について

日常食べている馬の飼料にはどのようなものが有り、その栄養価?は、あるいは与え方などを知り、健康な馬づくりに
役立てようではありませんか!!

1)馬の飼料とは?
@ 主な飼料は牧草(生草、乾草、加工牧草;ヘイキュウブ、ヘイペレット、ヘイレイジ)と穀類が主体です。
A 穀類は、エンバク、トウモロコシなど。タンパク補強剤のダイズ粕、アマニ粕。添加剤の糖蜜、ハチミツ。
  これらを総合的に混合した配合固形飼料と言うものがあります。
B これらの飼料の栄養成分量は、実際に使用する飼料を前もって分析しておくことが必要です。

左側:わが家のゆりの花。
右側:明神池出口の水流(上高地)ウマには新鮮な水が必要です。

2)野草、牧草、青刈作物について
(1)野草とは?

@ 馬を放牧する野草の生えている土地を牧野と呼びます。そこに生えている草を野草と言います。
A 一般に野草地は火山灰の影響が強く土壌の酸性度が高い。日本ではカルシウムなどを含めたミネラルは質的には
  多い(放牧地兼用に使用するので)とされています。

B 主に生えている草によって、ススキ型草地、短草型草地、シバ型草地、ササ型草地などと呼びます。

(2)牧草とは?
@ 一般に野草を改良して家畜の飼料とした草を牧草と言います。

(3)寒地型牧草の各種
@ イネ科牧草
 *北方型牧草;チモシー、オーチャード、トールオート、ペレニアルライグラス、イタリアンライグラス、
  ケンタッキーブルーグラス、ブロームグラス、メドウフェスク、レッドトップ等があります。
 *南方型牧草;スーダングラス、バヒアグラス、ローズグラス、バーミューダグラス、ベントグラス、ネピアグラス等
  があります。
A マメ科牧草
 *アルファルファ(ルーサン)、シロクローバ、アカクローバ、ラジノクローバ、ケンランドクローバ、
  セインフォイン、バーズフットトリフォイル、コモンベッチ、ルービン等があります。
B しかしながら、日高では耐寒性の強いチモシーが主体です。
C アメリカのケンタッキー州ではケンタッキーブルーグラスが主体です。
D イギリスではペレニアルグラスが主体です。
わが国で良く使われている牧草は?:
@ チモシー牧草について:
 *イネ科に分類される牧草です。
 *寒さに強く、馬の嗜好性が良いこと。
 *北海道の放牧地に最も良く利用されている牧草であること。
 *穂期頃に刈り取られた牧草は栄養価のバランスが良く、馬にとって最適な粗飼料です。
 *競走馬の食べる乾草の多くはこのチモシーなのです。
A メドウフェスクについて:
 *イネ科牧草。
 *耐寒性に比較的優れ、栄養価も良好です。
 *夏期及び秋期の生産割合が高い草種でもあります。
 *採草、放牧のどちらにも利用可能ですが、チモシーに比べて生産力がやや低いので、混播利用が多いです。
 *土壌凍結地帯では、ペレニアルライグラスの代替草種としてこの牧草が利用されますが、永続性や嗜好性に
  やや劣るので、放牧草種の混播に利用されます。
 *経年化すると株化し易い欠点があります。

左側:チモシー(JRA事故防止委員会1993)。
右側:メドウフェスク(日高支庁・BTC、2003)。

B オーチャードグラスについて:
 *イネ科牧草。
 *寒冷地向きの牧草で、主に採草用として用いられます。
 *チモシーよりも早く穂が出始め、開花後は茎が硬くなり、栄養価も低下します。
 *栄養価は他のイネ科牧草と変わらないが、チモシーに比べてミネラル成分が若干劣るようです。
C イタリアンライグラスペレニアルライグラスについて:
 *イネ科牧草。
 *チモシー、オーチャードグラスほど寒さに強くはないが、関東以南では冬期も緑色を保ち、草量も豊富であるので
  多く用いられています。

 *日本の厩舎で青草として利用しているのはこの牧草なのです。
 *同族のペレニアルライグラスは、イタリアンライグラスと良く似ている が、比較すると茎や葉が若干細く、
  草丈もやや低い。
 *寒さに強いが夏期の高温や乾燥に弱く、放牧地に良く利用されています。
D トールフェスクについて
 *イネ科牧草。
 *日本ではあまりなじみがありません。
 *夏期の高温、干ばつに強く、耐寒性もあり、極めて広い適応性をもっています。
 *多くの品種があり、ケンタッキー31フェスクもこの一種です。
 *同族のメドウフェスクはチモシーと栽培適地を同じくする牧草で暖地では成育不良となります。

左側:オーチャードグラス(JRA事故防止委員会1993)。
右図中央:イタリアンライグラス(JRA事故防止委員会1993)。
右側端:トールフェスク(JRA事故防止委員会1993)。

E ケンタッキーブルーグラスについて:
 *イネ科牧草。
 *地下茎で増殖するので、裸地化しにくく、踏みつけにも強いので、放牧地専用の草種として有名です。
 *冷涼地で排水の良い地域に良く成育し、生存年限が長い。
F アルファルファ(ルーサン)について:
 *マメ科牧草。
 *排水良好な石灰質土壌に最も良く成育するが、品種が多く、世界各地で栽培されています。
 *青刈りや乾草として利用されるほか、加工されて各種飼料の原料となっています。
 *栄養価が高いため、与え過ぎは禁物です。
 *良質のタンパク質やカルシウムなどのミネラルが豊富なので、利用価値は高い。
G クローバーについて:
 *マメ科牧草。
 *赤クローバーは、イネ科牧草と混播して乾草に利用されます。
 *白クローバーは、踏圧に耐え、放牧地用として利用されます。
 *共に栄養価は高く、アルファルファと同様与え過ぎに注意すれば利用価値は高い。
H ペレニアルライグラスについて:
 *イネ科牧草。
 *初期生育に優れ、分けつが旺盛で、茎数が多く、表面は光沢があります。
 *馬の嗜好性が良く、放牧利用後(特に秋)の再生が良く放牧適性が高い。
 *耐寒性が劣るので、日高(特に海岸地域)の少雪で土壌凍結地帯では冬枯れを起こします。
 *他の草種と混播が必要です。短草(15〜20p)利用が基本で、利用回数を高めることで密度の高い状態が
  保てます。
左側:ケンタッキーブルーグラス(JRA事故防止委員会1993)。
右側:アルファルファ(ルーサン)(JRA事故防止委員会1993)。

左側:クローバー(JRA事故防止委員会1993)。
右側:ペレニアルライグラス(日高支庁・BTC、2003年)。

(4)暖地型牧草の各種:
 =バヒアグラス、バミューダグラス、ダリスグラス、ローズグラス、スーダングラス=
 (JRA事故防止委員会編1993)
@ イネ科牧草が主体。
A 寒地型牧草のチモシーやオーチャードに比べ栽培の歴史が浅く、あまり改良されていない牧草です。
B 家畜の消化率も寒地型牧草に比べて若干低いとされていますが、バヒアグラスやバミューダグラスは暖地での
  放牧地用の牧草として利用
されています。
C その他、ダリスグラス、スーダングラスがあります。

3)牧草の質について:
=質の良い乾草とは=:
(JRA事故防止委員会1993)
@ 緑色が濃く、香りが良いこと⇔晴天にめぐまれ、すみやかに収穫した乾草で、栄養価(タンパク質やビタミン)が
  高く、嗜好性も良好です。
A 葉の占める割合が高いこと⇔刈り取り・収穫時期が遅い乾草は、葉の占める割合が低く、繊維含量も高く、栄養価が
  全体的に落ちるので、早めに収獲することです。
B 土砂や虫が入っていないこと⇔消化障害の原因となること、またクモや虫を馬が食べて蕁麻疹を起こすことも
  あります。
C 水分含量が適性で醗酵臭がないこと⇔水分が多いと内部醗酵し、甘酸っぱい醗酵臭となり、カビが生え、疝痛の
  原因にもなります⇔乾草は風通しの良い場所か、スノコの上に貯蔵することです。

4)馬に頻繁に用いられている牧草以外の飼料
(1)ペレット(固形化)飼料とは:
(JRA事故防止委員会1993)
@ 利点;
 *栄養価が均質であること。
 *給与量が明確であること。
 *衛生的であること。
A 欠点;
 *消化管内の通過が早く、空腹になりやすい。
 *栄養価の高いものが多く、与え過ぎに注意すること。

(2)ミネラル添加物とは:(JRA事故防止委員会1993)
@ 食塩(ナトリウムと塩素);通常は1日当りの濃厚飼料の約1%を与える。夏は多めにすること。
A カルシウム添加飼料;炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、骨粉、カキ殻を原料とし、問題なく使用できます。
B 電解質補給飼料;運動により汗などと共に失われた電解質(ミネラルが電気的に溶解したもの)を補給⇔液状、
  錠剤状のものを水に溶かして与えること。

(3)ヘイキューブとは?:(JRA事故防止委員会1993)
@ アルファルファ乾草を原料として、キュウーブ(立体状)に押し固めた飼料を言います。
 *タンパク質やカルシウムが豊富⇔硬いので歯の悪い馬には向かない。
 *健康で飼い食いの早い馬には十分な利用価値があります。

左側:わが家の庭で冬眠の準備をするカエル。
右側:豹の戯れ(富士サファリパーク)。

(4)ビタミン飼料とは:(JRA事故防止委員会1993)
@ ビタミンA⇔飼料には;青草、ニンジン。欠乏症⇔発育障害、夜盲症、繁殖能力低下。
A ビタミンD⇔飼料には;良質な乾草。欠乏症⇔骨障害。過剰症⇔軟部組織に石灰沈着症。
B ビタミンE⇔飼料には;青草・牧草、穀類・胚芽、油脂類。欠乏症⇔繁殖能力低下、筋肉障害。
C ビタミンK⇔飼料には;牧草。欠乏症⇔通常の飼料で不足することはない。牧草のカビはビタミンKの作用を
  阻害する⇔過度の出血→貧血、衰弱を起こします。
D ビタミンC⇔飼料には;青草。欠乏症⇔通常の飼料で不足することは無い⇔発育不良。
E ビタミンB群⇔飼料には;穀類、牧草、その他の飼料。欠乏症⇔栄養素の利用阻害⇔体内で合成されており通常の
  飼料で供給されるが、疲労回復やエネルギー代謝に関与するため運動時には要求量の増加(B1やB2など)が
  考えられます。

5)牧草の栄養的特性:
@ 牧草は良質で経済的なタンパク質の供給源である。
A 牧草はエネルギーの供給源となる。
B 牧草はビタミンの豊富な供給源となる。
C 牧草はミネラルの供給源となる。ミネラル量は土壌条件、施肥量、気候風土、季節などの環境要因によって
  大きく変わる。マメ科牧草はイネ科牧草の3〜5倍のカルシウム量を含む。
D 馬の胃は小さいので、飼料の配合には繊維の多いものを与えて消化を円滑に進める。

(1)牧草の栄養価を左右する要因
@ 肥沃な土壌から良質な牧草が育ち、健康な馬が育ち、排泄される糞と尿で土壌に還元されることが大切。
A 若い草丈の短い牧草ほどタンパク質が高く、繊維量が少ない。
B イネ科の牧草は硫安などの窒素質肥料を与えると生育が著しく向上する。
C マメ科の牧草は根にバクテリアが存在し、空気中の窒素を得ているので窒素の供給はバクテリアの働きを低下させ、
  生育がおちるので注意が必要。

(2)牧草の利用法
@ 放牧地の草は、草丈が短く、根が密生するケンタッキーブルーグラスが馬に好まれる。
A 採草地は、イネ科ではチモシー、マメ科ではアルフファルファ、ラジノクローバ、ケンランドクローバなどが
  好まれる。
B 牧草は、収穫時期、収穫工程、貯蔵場所、期間によって栄養成分が大きく動く欠点がある。
C 良い乾草;
 *緑色が濃いこと。
 *葉がおちていなく、葉茎比が高いこと。
 *香りのよい事。
 *水分量がほぼ12%であること。
 *収穫時期が適切で、線維成分が適量であること。
D 悪い乾草;
 *葉が落ちて茎ばかりのもの。
 *水分量が15%以上のもの。
 *醗酵臭の強いもの。
 *カビの生えているもの。
 *土砂、クモ、カビ、その他害虫の入っているもの。
E 1番刈よりも2番刈の方が栄養価は高く、柔らかくて競走馬の飼料にむいている。

(3)競走馬によく使われる牧草
@ チモシー;永年生の牧草、耐寒性が強い、雪枯れが少ない、若い草は馬の飼料として栄養価が高い。
A オーチャードグラス;多年生、耐寒性は比較的強い、温暖な土地でひろく適用。耐暑性は強い。
B イタリアン・ライグラス;1年生または越年生牧草で、草丈が120〜140cmに達し、収量が多い。他のイネ科牧草に
  比べ初期成長が著しく早い。
C ケンタッキー・ブルーグラス;草丈が20〜60cm、永年生牧草、寒地の芝草として良く使われる。地下茎が広がり
  密で放牧用牧草に適している。
D アルファルファ(ルーサン);多年生牧草、排水の良好なアルカリ性土壌で良く育つ。2番刈で栄養価が高く、
  全ての牧草の中で最高である。
E アカクローバ;冷涼で湿潤な気候に適している。暑さに弱い。チモシー、オーチャードグラスなどを混播して
  乾草用に利用する。
左側:日高の放牧場と馬達
右側:上高地:明神池。

6)穀物類:
(1) エンバクについて:

@ すべての穀物の中で繊維含量が多い(12%)。
A タンパク質含量は10%であるが、質的に決して良いものではない。
B ミネラル量はカルシウムが少なく、リンが比較的多く入っている。
  ビタミンB群とビタミンEがかなり含まれている。
C 馬はエンバクの栄養量の70%は利用している。
D エンバクの良否:
 *単位容積当りの重量が重いほど良い。
 *粒が均一で良くそろっているもの。
 *殻のつやがよいもの。
 *実が締まり充実しているもの。
 *麦角菌、赤カビ病菌などのカビが寄生していないこと。
 *害虫が混入していないこと。
E エンバクは圧偏(あっぺん)、ひきわり、蒸煮など調理して馬に与える。
F 馬にエンバクが良い理由;穀物の中に繊維質が一番多く、しかも炭水化物が濃厚になり過ぎない利点があり、
  胃腸に優しい。
G 外国からの輸入エンバクは外麦・ガイバクと言う。;改良が進んで殻実が大きく充実し、粒そろいもよく、
  カロリー価が高い。
H ハダカエンバクとは;競走馬や育成馬に使われ、エンバクの殻を除去した殻実そのもので、全粒よりカロリーが
  高く、トウモロコシに匹敵する。しかし、繊維が不足し、食物通過が早いので切り草と一緒に与えること。
I エンバクには欠陥がある;タンパク質を構成するアミノ酸のバランスが悪い。馬に必要な必須アミノ酸・リジン、
  ヒスチジンなどが少ない。

J 挽き割りエンバクと圧偏エンバク;胃腸が悪く、歯が脆い老齢馬にはエンバクを蒸して与えること。
  通常、競走馬には全粒か圧偏エンバクを給与する。挽き割りは殻実が露出し酸化しやすく、栄養価が下がる。
K エンバクのデンプンは消化に良い;デンプンは小腸で消化・吸収され、短時間で高いエネルギー源となるので、
  競走馬には向いている。
必要に応じてレース前の4時間〜5時間前に約2kg与える。
L トウモロコシのデンプンは消化に時間がかかる;トウモロコシはエンバクよりもカロリー価が高くエネルギー源
  としては良いが、デンプンの消化が悪く、小腸では30%くらいしか吸収されない。
残りは大腸に送り込まれるが、
  大腸ではデンプン分解酵素が少なく消化吸収が下がる。

(2)大麦とトウモロコシ
@ オオムギ・大麦は、馬にとってよい穀物である。
A オオムギは成長促進因子のリジンが穀物中最も多い。
B トウモロコシは、エンバクの代わりとなり、エネルギー量はエンバクのほぼ2倍、肥満の原因となるので注意。

(3)コムギフスマと「ブラン」
@ コムギ製粉工程からフスマが30%とれる。
A フスマは容積があり、消化があまりよくない、低エネギー飼料で、糞量が増加する。
B フスマの中にリンがたくさん入っている。ビタミンB群とビタミンEが含まれている。
C 「ブラン」は、コムギフスマのことであるが日本ではフスマで調理した飼料のことを言い、競走出走後などに
  体調を整え、整腸を目的に多くは夕飼時に与える。

D 日本ではフスマに熱湯をかけて、撹拌し、同量のエンバクを混ぜ、栄養剤を少量加えて温かい状態で与える。

(4)フスマ
@ コムギのヌカ・糠を飼料にする;食用としてコムギを粉にした残りをヌカと言うが、製粉で全ての粉を
  とってしまうと、ヌカには栄養価が下がるので、馬の飼料向け用には良質のヌカが残るように作っている。
A 飼料用フスマには良質な脂肪酸(リノール酸、リノレン酸の優良な不飽和脂肪酸が多く含む)がふくまれて
  いるので、栄養価が高い。

B 飼料用フスマは固まりやすい欠点がある;リノール酸やリノレン酸は外気で酸化が速く、分解されて酢酸になる。
  これの摂取は激しい下痢になる。
C 飼料用フスマには多量のリンが含まれている;多量給与はリン過剰になって、フイチン態という化合物になり、
  消化し難く約30%しか吸収されない。
D ブランマッシュ;英語でフスマをホイート・ブランと言う。ブランマッシュとはフスマに暖かい湯を入れ、よく
  掻き回した飼料のことを言う。競走後の馬に給与する。脱水した身体の水分補給と便通に良い。

E フスマにアマニを混ぜると飼料効果が上がる。

左側:ハイギョ類のプロトプテルス・エチオピクス。(鳥羽水族館にて)。
右側:ハゼ。(鳥羽水族館にて)。

7)タンパク補強剤
(1) ダイズとダイズ粕

@ 馬にはダイズよりもダイズ粕(ダイズから油をとった粕)が良く使われる。
A 馬の良いタンパク質飼料となる。

(2) アマニとアマニ粕
@ アマニはアマの種実で、アマニ粕(油をとった粕)の両方は栄養価も比較的高いので馬には良く使われる。
A アマニを熱湯でグツグツと2〜3時間煮て、上澄み液を捨て、良く撹拌しネバネバさせ、コムギフスマを混ぜ、
  「ブランマッシュ」として整腸作用を目的に馬にあたえる。馬の嗜好性も良い。

(3)脱脂粉乳
@ 良質のタンパク源(タンパク35%、乳頭を含む糖質55%)で、発育期の若馬には特に良い飼料となる。
A 若馬の腸内には乳酸菌が多く存在するので乳糖をよく利用する。
B しかし、老齢馬は腸内乳酸菌が著しく減少しているので、脱脂粉乳を与えても不経済である。

8)油
@ 有酸素運動には欠かせない油のエネルギー(飽和脂肪酸;バルモチン酸ではなく、不飽和脂肪酸;リノール酸、
  リノレン酸の植物油が馬の飼料に良く使われる
)。
A ヒトで吸収の良いオリーブ油はオレイン酸を多く含むが高価で脂肪酸のバランスが良くないので、馬にはあまり
  使われない。

B 馬には脂肪酸のバランスの良いダイズ油粕(タンパク源として、オレイン酸、リノレン酸が適度に含まれ、血流を
  よくする働きがある)が使われる。
C 油は糖質の倍のカロリーなので控え目にすること⇔競走馬のエネルギー源はグリコーゲンであり炭水化物が
  大切である。
油の量は300〜500mlぐらいにとどめておくこと。

9)配合飼料
(1)完全配合飼料(完配)

@ ペレット状のものが多い。
利点:
 *栄養分のバランスが良い。
 *均質な飼料で、消化も良い。
 *栄養の給与量が明確になる。
 *衛生的である。
 *貯蔵面積が少なく、運搬も便利。
欠点:
 *消化管内通過が早い。
 *空腹になり易い。
 *欠点をおぎなうために必ず切り草と共に食べさせること。

(2)補強用配合飼料
@ タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養分を補強するものであること。
A 馬の1日に必要とする栄養量を検討し、全体の栄養バランスを欠かせないように注意すること。

10)糖蜜、ハチミツ、ニンジン
(1) 糖蜜とハチミツ
@ 馬の良いエネルギー源となる。食欲増進、飼料の塵埃防止、穀物配合の接着などの目的に利用している⇔「甘味濃厚
  飼料;スイートフイード」

A 糖蜜は製造法によって禁止薬物が入り込む恐れがあるので、良質のものを使うこと。

(2) ニンジン
@ 馬の好物で、カロチンのほかは栄養量が著しく低いので栄養補強にはならない。

11)食塩および添加剤
@ 食塩はブロック状のものがあり、自由に舐めさせるのが良い。
A ミネラル総合食塩はマンガン、コバルト、鉄、銅、亜鉛などの微量元素が食塩に含まれている。
B ビタミン剤も過剰にならないように注意が必要である。




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